後継者はいかに選ばれたか、著者は阪倉篤秀、関西学院大学大学院博士課程修了、関西学院大学名誉教授、専門は明代史、著書「長城の中国史・中華対遊牧・6千キロの攻防」
概要
我ありてこそ、1秦始皇帝嬴政、長子扶蘇の自害、奇貨・おくべててし、今を生き・未来に向かう、封建制度は受け継がない、皇帝に、官僚制と監察権の独立、統一政策、始皇帝の失態、2前漢の武帝劉徹、皇后との確執、皇帝復活、強幹弱枝へ、生母王志、館陶公主劉嫖の策謀、皇太子劉徹、大皇太后の横やり、解放された武帝、皇后陳阿嬌、衛青と霍去病、内政の充実、男児の出生と立太子、皇太子の宮中クーデター、外戚の禍を防ぐ究極の策、頼るしかなかった、とはいえ、1前漢の恵帝劉盈、衝撃の事態を前にして、始皇帝と劉邦の出会い、劉邦に尽くす呂氏、呂氏の捕縛と戚夫人の出産、劉邦皇帝即位、資質に欠ける劉盈、劉邦の死、外戚介入、2清の順治帝、ドルゴン断罪、女真族の系譜、遼と金の民族国家、ヌルハチの後金建国、後継者ホンタイジ、イメージ操作、満洲と満州、事業達成目前の急死、後継者は6歳、呉三桂の開門、飴と鞭政策、増長するドルゴン、憎しみからの名誉剥奪、順治帝親政のつまずき、意図的過ぎる施政方針、宦官依存と皇后問題、我をおいてほかになし1運命を唐の太宗李世民、李淵と李世民、李氏の系譜、隋朝の崩壊、李建成と李世民の確執、宮中クーデター、運命をわけた人徳の差、貞観の治、度重なる周辺民族の征圧、3人の男児、後継者決定2宋の太祖趙匡胤、孝行息子、後継者を決めた金匱の盟、唐滅亡と五代十国、後周郭威による束の間の平和、紫栄の活発な軍事的遠征陳橋兵変と開封帰還、平和裏に建国された宋朝、都護府体制から節度使体制へ、宋の節度使対策、中国統一とその限界、君主独裁体制の確立、生前になかった後継者指名、噂がとびかう趙匡胤の死、思いもしてなかったのに、1東晋の元帝司馬睿、即位、晋の成立、禍根を残す封地分配、司馬炎死後の混乱、八王の乱と永嘉の乱、司馬睿の琅邪王襲封、建康の亡命政権、晋王から皇帝に、神輿に乗る皇帝、2南宋の高宗趙構、屈辱の講和、万里の長城と北方系民族、契丹による遼の建国、燕雲十六州の割譲、遼の南侵と澶淵の盟、夷を以て夷を制す、趙構の人質と靖康の変、傀儡政権の限界、趙構の即位と江南巡幸、臨安遷都、立場の逆転、屈辱のなかの平和、虚しい戦勝パフォーマンス、何が何でも我こそが、1隋の煬帝楊広、兄弟の争いと母、楊堅と独孤氏、楊氏の系譜、婚姻と二人の誓い、宇文護の専横と独孤信の死、隠忍自重がもたらした外戚の立場、独孤氏の存在感、支配体制と経済政策、大運河、南部中国の状況、楊堅と五人の嫡子、聞き耳を立てる独孤氏、皇太子楊勇に対する怒り、孝行息子・楊広、廃太子の決断、楊広の即位、大規模工事と高句麗遠征、2唐の玄宗李隆基、父には知らせずに、高宗による立太子、策謀で手に入れた皇后の地位、武韋の禍根、李隆基と唐隆政変、功績がある者が後継に、開元の治、仕事人間の行く末、楊貴妃への傾塔安史の乱、安史の乱、父を受け継ぎ飛躍を目指す、1後漢の明帝劉荘、自己をわきまえた即位の詔、劉氏復活を待望する声、漢の復興と洛陽進出、光武中興による社会再生、一夫二妻、二人の皇子の誕生と立太子、皇后と皇太子の入れ替え、父を超えた明帝、父子二代による王朝の基礎、2宋の神宗趙頊、王安石との出会い、意欲を失った仁宗、男児の運に恵まれず、皇帝になりたくなかった皇帝、意欲溢れる青年皇帝、王安石の登用、新法派と旧法派の対立、強行突破をはかる神、宗、王安石の失脚と新法派の自壊、神宗とその時みんかんしりょうの代への評価、準備万端整えたはずが、1明の洪武帝朱元璋、朱元璋のお墨付き、皇帝の呼び名、民間史料への向き合い方、元末「紅巾の乱」、明王朝の成立、こだわりの強い朱元璋、徹底的な海禁令、建国功臣への対策、皇子による北辺防衛、地に二君なしをものともせず、皇太子朱標の死、皇子を飛び越して皇孫に、君側の難を靖じる、建文帝はどこに行ったか、手堅くも斬新な永楽政治、永楽時代の歴史的存在意義、2清の康熙帝愛新覚羅玄燁、究極の太子蜜建法、満漢の血統を受けた皇帝、準備万端整えたうえでの親政、三藩の乱、支配領域の確保、嫡長子へのこだわり、皇子間の対立、胤礽の廃太子、再度の立太子と再度の廃太子、天下第一の閑人、憶測飛び交う康熙帝の最期、雍正時代の始まり、積年の課題への挑戦、13年の在位が残したもの、
感想
後継者選びは如何に大変か、準備万端整えた康熙帝と思われたが、想いどうりにいかず、皇子間の対立、廃太子の決断を招いた、しかし、雍正帝の「太子蜜建法」により第四子の弘暦・乾隆帝が即位、中華人民共和国の原点を形成、
まとめ
我ありてこそ、秦の始皇帝、前漢武帝、頼るしかなかった、前漢恵帝、清の順治帝、我を置いてほかになし、唐の太宗、宋の太宗、思いもしていなかったのに、東晋の元帝、南宋の高宗、なにがなんでも我こそが、隋の煬帝、唐の玄宗、父を受け継ぎ飛躍を目指す、後漢の明帝、宋の神宗、準備万端整えたはずが、明の洪武帝、清の康熙帝を考察、後継者はいかに選ばれたか、中国皇帝の条件を探る、