近年のイギリス政治に表面化しつつある新たな対立図式に注目、表出に至る2020年代末までの20年弱の過程を描写、緊縮財政とEU残留を問う国民投票は激しい社会分断を伴った政治対立があり、大都市と地方の対照を顕在化させた、著者は若松邦弘、東京大学大学院博士課程修了、ウオークリック大学大学院博士課程修了、東京外国語大学教授、著書「地域のヨーロッパ」他
概要
リベラル時代の終焉、1サッチャーからブレアへ、労働党での経済リベラリズム、社会問題、都市への経済的な注目、新たな要素、2都市部での不信、鉱工業地帯での不信、暴動、イラク戦争批判、大都市中心モデルの破綻、多様性尊重の後退、アイデンティティ政治の萌芽、マイノリティ市民の支持調査、3農村部での不信、カントリーサイドイッシューの浮上、農村政策の不信、不信の文化的性格地法の保守層、代弁者としてUKIP,旧中間4リベラルな合意のゆくすえ、ベルエポック、保守党の軌道修正、社会的リベラル言説の食層の支持と言説の強化、コミュニティの再強調、地方有権者の離脱、自民党の改革、ニューレーバーの最終章、縮小と差別化、下からの反乱、1財政緊急への反応、危機勃発、ブラウンの舵取り、危機を巡る言説、UKIPの伸長、2010年総選挙、戦後初の連立政権、厳しい財政緊縮策、ミリバンド労働党の位置づけ、2対立的な政治、経済争点再浮上と街頭行動、鉱工業地帯での不満、アンチテーゼとしてのヨークシャー、政治不満票の流動化、小政党への支持拡散、反大都市連合としてのUKIP支持、スコットランドの状況、SNPの躍進、3不信の表出、スコットランドでの住民投票、政治不信の反映、住民投票の影響、2015年総選挙、スコットランドでの大敗、アンチ保守党勢力の共倒れ、エリート批判の特徴、労働党支持の都市集中、ジェレミー・コービンという勝利、経済争点による対立の拡大、地方からの反乱、1国民投票ととり残された人々、政治不信の第二幕、キャメロンの過信と拙速、政党を横断する亀裂、欧州懐疑の性格、ロンドンやエリートへの反発、社会的な保守・リベラルの重要性、地方への配慮、コービン批判とEUの脱争点化、2彼らロンドン対我々、政治における対立軸の変化、保守党有利の状況、総選挙の決断、再編に向けた混乱、議会審議の行き詰まり、新たな構図での総選挙、争点のズレ、経済争点の後退、3ポスト階級時代の困難、労働党支持の都市集中、ポスト階級の政治、新たな対立軸上の人種・民族、左派の反ユダヤ主義、イギリスはわかりあえるか1漂流する二大政党制、イギリス政治の2010年代、その後の政治、2対立に終わりは来るのか、保守党の地盤崩壊、イギリス政治の混迷は終わるのか、
感想
エリート対普通の人の対立がある、サッチャーからブレア移行で大都市偏重・農村無視から暴動、金融危機から緊縮財政・経済の低迷から小政党へ支持拡散、経済的に「とり残された」地方で農村以外とロンドンとの文化戦争と歪みを放置した政治の責任を追及している、
まとめ
エリート対普通の人々という対立、リベラル時代の終焉、下からの反乱、地方からの反乱、イギリスはわかりあえるかを考察、歪みを放置してきた政治の責任を追及、