地政学を退化させた日本、モンゴル、中国、ロシアを軸に展開、著者は楊海英、静岡大学人文社会学部教授、南モンゴル出身、北京第二外国語学院アジア・アフリカ語学部日本語学科卒業、国立民族学博物館、総合研究大学院博士課程修了、著書「墓標なき草原」他
概要
地政学は日本の財産だった、なぜ日本は地政学を退化させたのか、ラムステッドが導いた民族の覚醒、ウラルアルタイ諸語で結ばれたユーラシア、過度な戦前の反省が日本を危うくする、大陸から押し寄せる運命的な脅威、海を閉ざした東アジアの誤り、日本の中国観は島国特有の幻想、壮大な大陸構想を描いた豊臣秀吉、日本人には強い探検精神があった、日本に敗れた清朝の計り知れない衝撃、3番目の危機が到来している、第一部―失われた地政学、1ハウスホファーの予見と東アジア、エピソード1石垣島はなぜ征服された、誇りをかぶった戦前日本の宝物、民族自決を悪用した中国、ナショナリズムを宣揚する米中ロ、覇権争いの舞台は太平洋、過剰人口地帯で抗争が起きる、銅をめぐる中国大陸の興亡、1630年に起きた地政学の大変動、ロシアに国境は存在しない、太平洋をにらみ続けるロシア、南洋に向けられ家日本の地政学的視点、南シナ海が危険な地域になる、地政学を動かした中国人の人口調整、民族問題を顕在化した水資源、島国と大陸との衝突は避けられない、日本の強みは海洋にある、ハウスホーファーが見抜いた中国の非人格性、2戦前日本の地政学とその理論、エピソード2日本人は海賊だった、国家を動的にとらえ、役割を論じた阿部市五郎、満蒙を日本の防波堤と位置付けた米倉二郎、国体観に基づく地政学を提唱した岩田幸三、国体を支える血と血の理論、満州国建設の意義とは何だったのか、海洋的民族性と大陸的理解の深さが日本の武器、平和教育は日本人の海洋性を抑圧する、なぜ大中国が出現したのか、北方こそ戦略の要と説いた小牧実繁、水の戦略的重要性を説いた村上秀ニ、中国が買い占める日本の水資源、日本の地政学の遺産を再評価せよ、第二部ー戦後の地底学的激動、1東アジアを席巻した共産主義の恐怖、エピソード3レーニンの軍隊が来る、帝政ロシア対大清帝国、渾然一体のロシア人と遊牧民族、西欧列強は中国に対抗するための後継者、ユーラシアで進んだ脱中国の流れ、地政学的変動をいち早く察知した日本、汎モンゴリズムと防共協定の構築、中国で民族紛争が絶えないのはなぜか、2日本の敗戦と地政学的変化、地政学上の拠点を奪おうとしたソ連、戦略性が高まる満州、粛清の背景にある地政学的恐怖心、中国とソ連はなぜこじれたか、地政学的紛争は運命である、3中国内戦と共産党の支配、エピソード4、中国共産党が持ち込んだアヘン、毛沢東が生き延びた遊牧民ルート、アヘンでモンゴル人を骨抜きにした毛沢東、遊牧民ルートは地政学上の戦略ルートだった、4中国共産党の異民族弾圧、モンゴル編、東モンゴル自治政府の成立、ウラーンフーが目指した自治区拡大、自治区の大きさに驚いた毛沢東、モンゴル人の生存空間を解体、砂を混ぜる戦略、モンゴル語廃止、債務の罠、チベット編、モンゴル人を利用したチベット侵攻、中印紛争にウイグル人を投入、地球規模の紛争に」拡大する懸念、新疆編、高まるテュルク系民族の独立運動、チョイバルサン元帥の併合構想、新疆をめぐるスタ-リンの深謀遠慮、西部大開発、一帯一路は形を変えた併合戦略、5中国とロシアの地政学的戦略、エピソード5、中国に出稼ぎに来ていたウクライナ人、ロシアと中国が接近すれば衝突を生む、アメリカのロストチャイナ、中国は異民族を吸収しながら拡大する、ましな国へ動くフロンティアの民族、中露が恐れるユーラシアの民族主義、中露が衝突する舞台は極東、中国が狙うロシアの弱体化と失地回復、日本は第三の隣人外交推進を、結語ートランプ政権で変わる世界の地政学、中国を念頭にした戦略構築、日本は冷徹な地政学的知見を、
感想
戦前日本の地政学再評価、戦後東アジアを席巻した共産主義の恐怖と中国支配、異民族弾圧、中露の地政学的戦略を考察し、東アジアの危機、日本はウラルアルタイ諸語民族と連携すべきと説く、
まとめ
地政学は日本の財産だった、失われた地政学、戦前日本の地政学とその理論、戦後の東アジアを席巻した共産主義の恐怖、日本の敗北と地政学的変化、中国内戦と共産党支配、中国共産党の異民族弾圧中国とロシアの地政学的戦略を考察、日本の敗戦と共産党中国支配が地政学的変化をもたらし東アジアに危機迫る、日本の地政学の再評価、組むべき相手国はモンゴル