人神信仰の歴史をたどり、「人を神に祀る風習」のメカニズムを探ることで、日本人の神観念の特質と宗教史の伏流を明らかにし、死後の観念の変遷をあぶりだす、著者は古川順弘、早稲田大学第一文学部卒、文筆家・編集者、著書「物語と挿絵で楽しむ聖書」他
概要
1怨霊信仰の系譜ー古代編、1人神とは何かー氏神・祖神との違い、祖神系人神と非祖神系人神、怨霊信仰、2平城京を震撼させた祟り―隼人と長屋王の怨霊、宇佐八幡宮の放生会、長屋王の祟り、怨霊の陰に逃げ惑う奈良時代の人々、3寺院で慰撫された御霊たちー井上内親王・他戸親王の怨霊、発動を始めた井上内親王と他戸親王の怨霊、霊安寺と御霊神社、井上内親王たちを祀る御霊神社の成立、4祟りにおびえ続けた桓武天皇―平安遷都と早良親王の怨霊、皇太子なった早良親王、自死、親王の祟りが平安遷都へ、神仏混淆で怨霊慰撫、5平安京を席捲した御霊会ー御霊神社とソウドウ神社疫神とみなされた怨霊、仏教法会の延長線上「御霊会」、怨東大時代物霊を神、崇道天皇を祀る神社、6八幡神の正体は怨霊なのかー応神天皇説と聖武天皇説、応神と同一視・宇佐八幡宮の祭神、6世紀に八幡神・八世紀に神社創建、東大寺大仏の守護神と勧請、太上天皇御霊は聖武天皇、聖武天皇の怨霊と同一視の八幡神、神功皇后信仰を背景に応神天皇との同一視、若宮八幡、7神社ではなく廟に祀られた神功皇后ー渡来人の零廟と人神神社、人神としての神巧皇后神功皇后信仰の聖地・香椎宮、奈良時代は「廟」だった、大陸・朝鮮半島の廟祭祀影響か、香椎宮は「廟」がルーツ、渡来人を祀る高麗神社、廟に祀られる怨霊たちー古代・中世編、1都の守護神となった菅原道真の怨霊ー天満天神と北野天満宮、右大臣まで昇も陰謀で左遷された菅原道真、死後20を経て道真の祟り噂さ、修行僧が幻視した道真と醍醐天皇、道真霊の託宣に基づき創建された北野天満宮、童子にも託宣、天満天神と号さる、北野の地は廟、偉人崇拝から学問の神になる、2室町幕府を恐れさせた廟の鳴動ー源光仲と多田神社、清和源氏発祥の地、摂関政治寄与した源光仲、多田院に葬られる、室町時代から始まった廟所の鳴動、群発地震が鳴動の真相3院政期を揺さぶった崇徳天皇の怨霊―洛東を霊場化させた崇徳院廟、讃岐に流された崇徳天皇、流謫中の崇徳、祟り噂さ、崇徳院廟創建、洛東に崇徳院霊場、京都に奉還、4死後直ちに発動した天皇の怨霊―後鳥羽天皇と水無瀬宮、最恐の怨霊、隠岐に流される、生前から怨霊を自覚、水無瀬に御影堂、鎌倉に新若宮、鎌倉幕府滅亡を告白、5南北朝の争乱が生んだ武士の怨霊ー新田義 興と新田神社怨霊譚の太平記、新田義興の奸計、多摩川で謀殺・怨霊、下手人江戸遠江守・下野守実在、新田神社、磁場を形成、6中世人を魅了した職能神系の人神ー柿本人麻呂と柿本神社、生涯、創建された柿本神社、都で「人麻呂影供」、全国に人丸神社、怨霊信仰、3偉人崇拝と義人神社の時代ー近世編、1吉田神社の人神祭祀―吉田兼倶と吉田神社、人神祭祀を革新した吉田神道、吉田神社を再興、神人合一思想、死後霊社、築山大明神、2生前から神格化を望んだ天下人―豊臣秀吉と豊国神社、信長が創建した摠見寺、石をご神体、己を生き神、死後「新八幡神」を願った秀吉、吉田神道により「豊国大明神」、家康による廃祀、3東照大権現の誕生―徳川家康と日光東照宮、日光に神・家康、明神号か・権現号か、東照宮造営、本地は薬師如来、各地に勧請、神格化されろ藩祖・大名たちー保科正之と土津神社、吉川神道と保科正之、生前「土津霊神」神葬を遺言、土津神社創建、人神祭祀、5四国が霊源となった怨霊信仰ー山家公頼と和霊神社、人神神社各地に誕生、宇和島騒動の伊達家家臣・山家公頼、山頼和霊神社創建、流行神で各地勧請、怨霊から守護・農業・漁業神へ変容、6郷土の義人を祀るー各地に出現した義人神社、新たな人神タイプ、義人神社の生祀、各地に誕生した義人神社、水利関係、怨霊信仰、佐倉宗吾、宗吾伝説、口の明神、都市伝説、供養堂、観光名所化、4招魂社と巨大化する人神神社ー幕末・近代編、1志士たちを神に祀る―幕末維新の招魂祭と招魂社、神葬祭を行った霊明神社、招魂祭、戊辰戦争から招魂社次々に誕生、東京招魂社誕生、長州で招魂祭・招魂社、2神格化される忠臣たちー楠正成と湊川神社、画期をなした湊川神社、楠木正成の生涯、後醍醐天皇の忠臣、湊川の戦いで自刃、尊王運動で楠公社が現る、湊川神社創建別格官幣社誕生、京都に崇徳天皇霊奉遷、3天皇を祀る大社の創建―明治天皇と明治神宮、天皇神社の誕生、明治神宮の創建事業、各地の明治天皇の生祀、全国の明治天皇聖跡、4祀り続けた軍人と戦没者―靖国神社と南洲神社、日清・日露の軍人たち、軍神広瀬中佐の誕生、戦没者の霊を守護神、靖国神社、軍部により運営・戦争末期は大量の戦没者、西郷隆盛」を祀る南洲神社、結び)現代の人神神社と人を神に祀るぐ風習の行方、東日本の犠牲者を祀る、変容を繰り返した人神信仰、昭和戦後の退潮、
感想
現代の日本人が、「死者の慰霊」に強い関心を抱いているものの、「人を神に祀る」営みには特別の意義をみいだせなくなっている、官民連携して誕生した明治神宮は体験共有という前例のない出来事だあった、
まとめ
1怨霊信仰の系譜ー古代編、2廟に祀られる怨霊たちー古代・中世、3偉人崇拝と義人神社の時代、4招魂社と巨大化する人神神社を考察、記紀神話の神々と別の系譜を示した、