レビュー・数の日本史

日本列島五千年・数の文化史、初等的・日常的な数の歴史にポイントを置き、中学生が理解しうる範囲とした、著者は伊達宗行、東北大学大学院理学研究科物理専攻中退、物性物理学専攻、大阪大学名誉教授、著書「物性物理学の世界 波動・粒子のジレンマから極低温の謎まで」他、2023年没、

概要、

1古代の数詞、暁闇の旧石器時代、見えてきた縄文時代、縄文時代は12進法、謎を秘める縄文尺、一万年の縄文時代、日本祖語と流入言語、古代日本数詞の起源、古代数詞の二重構造、古代数詞とその表現、記数法はあったのか、2大陸数文化の興隆、漢民族の台頭、甲骨文、上数・中数・下数、算木、九章算術の出現、唐の算学制度巨大数、唐で止まったインド数学、3漢数字・数文化の到来、西暦紀元後の東アジア、多かった空白時代の交流、現代数詞の三重構造、少数表現の弱さ、律令国家と数、養老令の算学、算に秀でた吉備真備、奈良時代の税務調査、暦法に現れる数、大事業だった写経平城京はピタゴラスの定理、班田収授を支えた算師、遺産相続は分数で、表音・表意の葛藤、記紀・風土記に現れる数、万葉集ー遊び心数世界、仮名文字の登場、4平安・中世の数世界、理数科離れの平安時代、衰退する算学・歴訪、神楽歌に見る数字、宇津保物語、五雀六燕の術、おそろしきは算の道、口遊びの九九、九九の東西、二中歴に見る算遊び、平安から中世、御伽草子に見る数、五山文化における数遊び、わが曾祖父は九九二翁、独立する算師、鎌倉時代の四捨五入、室町から戦国へー算興隆の兆し、室町時代の貨幣経済そろばん登場、曾呂利新左衛門の背景、朱世傑と程大位、5数文化興隆の江戸時代、凡下の者、算用記をめぐって、割算の天下一「割算書」、消化された「算法統宗」、吉田光由「塵脚記」、変遷、構成、確定した数表現、奇妙な金銀の比重、生活密着の明和本、明快な絵解きそろばん、暗算の東西、問題・答え・術・法、田法・円法・三角法、開平,開立に見る江戸感覚、屋根の勾配問題、ゼロの表記法、複雑な貨幣交換、江戸は高金利時代、米経済は升目から、土木・測量―大切な口伝、男女の比は二対三、入子算・鼠算、塵却記に見る巨大数、暮らしに密着した知的クイズ、継子立、遺題とその継承、高まる論理性、6和算―世界に並んだ科学、塵却記を越えるもの、和算の端緒、キリシタンの影、東洋発の代数ー天元術、世界初の二次元並立コンピューター、尽と不尽、円周率の変遷、その頃の西欧数学①、②、関孝和という人物、縦書き代数式の創出、点竄術とは、解伏題-行列式の発見、円理の発展、関の角術、微積分はあったか、深奥の和算、奇才・久留島義太、有馬侯秘伝を暴露、円熟の和算・しかし、和算の感性-図形、数式、漂泊の和算家、庶民の和算-算額、和算の美学―アルスの世界、西洋数学到来、7洋算ーその受容と現代社会、開国の圧力、長崎海軍伝習所、沼津兵学校―徳川藩の貢献、蕃書調書―東大の前進、維新十年・新教育体制、学制から高等教育、数も軍も政も―大村益次郎、駆け抜けた奇才・柳河春三、菊池大麓ー明治数学の開祖、会社から学会へ、菊池大麓と和算、昭和初期まであった塵却記、明治五年・八年の教科書、計算尺の盛衰、到達点・高木貞治、初等数教育の変遷、国定教科書の誕生ー黒表紙、到達点ー緑表紙、算術から算数へ、8現代の数世界、社会における数変化、終戦ー新座標軸、国定から検定、数学教育現代化問題、円周率は3でよい、学習禁止要領、四捨五入、大学まで及んだ学力低下、つめ込みと引き出し、期待される数教育、数教育の進化と退化、ウエアラブルな数世界、これから必要な数知識、差と比の社会・桁違いの社会、十倍図を考える、十倍図で見る物の値段毒物ー致死量を見る、地震ーマグニチュードの対数則、放射能ーもっとわかりやすく、対数史観、21世紀には、

感想

数文化・数教育の変遷を辿り日本人の「算術上手の算術嫌い」を探る、数の知識は古来より人間社会において普遍的なものである、

まとめ

古代の数詞、大陸数文化の興隆、漢数字・数文化の到来、平安・中世の数世界、数文化興隆の江戸時代、和算―世界に並んだ科学、洋算-その受容と現代社会、現代の数世界を考察、小手先の対応のみでなく、周到な歴史的検討を踏まえて国家百年の計を練ることが大事、

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