権威の将軍「家斉」から国事の将軍「慶喜」の変化、両者の相克を軸に幕末の徳川将軍を考える、著者は久住真也、中央大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得退学、大東文化大学教授、著書「長州戦争と徳川将軍―幕末畿内の政治空間」他
概要
徳川将軍の権威と本流、１大御所家斉の半世紀、栄華を極めた家斉長期政権、懐古された大御所時代、２権威の表象、朝廷を圧倒、見えない将軍、圧政殻威張り、３生身の徳川将軍、祖先崇拝、日常生活、三つの情報源、４徳川将軍の本流とは、血統と吉宗のカリスマ、徳川実紀、本流と傍流、12代家慶と内憂外患の時代、１危機の徴候、鎖国と大政委任、天保改革、改革に懲りた、２徳川斉昭の処罰、失脚、阿部正弘登場、斉昭を嫌悪、３水戸徳川血統とペリー来航来航前夜、慶喜登場、斉昭赦免、家慶と水戸家、開国圧力、13代家定と開国日本、１ペリー来航と新将軍、暗愚、ペリー艦隊、安政改革、２変わりゆく大君への視線、ハリス登城、ハリスの見た家定３徳川本流対英明・年長、将軍継嗣問題、一橋派、開国問題、春嶽らの朝廷工作、４木偶人家定の本領、井伊直弼、家定、継嗣決定・一橋派失脚・死去、５家定の死後に来るもの、将軍の存在、国事の将軍誕生ー14代家茂、１文久改革の衝撃ー見える将軍へ、激動の政局、家茂と春嶽、文久改革、大原勅使、幕私改革、御前会議、三条・姉小路勅使、攘夷か・政権奉還か、尊王、２将軍上洛の復活―見せる将軍へ、上洛、天皇と勅書、宮中の家茂、君臣関係、３攘夷を指揮する将軍、大坂入城、順道丸搭乗、果てしなき奔走、１参与大名と将軍家茂、政変と再度上洛、公武合体、宸翰、孝明天皇、２見えなくなる家茂ー江戸城西の丸から長州征伐へ、文久改革否定派長州征伐、３将軍辞職の上表、投げ出し、政権奉還思想、４最後の徳川将軍か、家茂の死、語られない15代将軍、１継承された国事の将軍、家茂の遺命、孝明天皇が後押し、２京都御旅館の慶喜政権、国事の将軍の政権、３大政委任の崩壊、勅許と降勅、摂政就任工作、４空名の征夷大将軍、大政奉還の上表、王政復古クーデター、５慶喜公御実紀が語るもの、権威と国事の矛盾、徳川本流復活、結語、徳川将軍という逆説、御威光の支配崩壊、
感想
徳川将軍の栄華を極めた家斉、ペリー来航・開国から権威が揺らぎ、国事の将軍家茂誕生、文久改革、長州征伐失敗、継承した慶喜政権、大政委任の崩壊と続く幕末の将軍を描く、御威光支配の崩壊
まとめ
徳川将軍の権威と本流、12代家慶と内憂外患の時代、13代家定と開国日本、国事の将軍ー14代家茂、果てしなき奔走、語られない15代将軍を考察、権威の将軍「家斉」から国事の将軍「慶喜」への変化相克を軸に、幕末の将軍象を追求、