レビュー・日本とロシア

ウクライナ侵攻による対立関係、衝突・融和を繰り返しながら濃厚な交流を展開してきた日露関係を辿る、著者はシャラトフ・ヤロスラブ、早稲田大学政治経済学述院教授、歴史学・法学博士、著書「協力に向かってー1905-1914の日露関係」他

概要

初めての対面から、正式な国交樹立まで、ロシアに渡った初の日本人ーニコラスの旅、相互認識の起源―日本とロシア、それぞれのイメージ、漂流民と日本語学校ー流れ着いた最初の使者、立川伝兵衛、元文の黒船事件、ロシア脅威論の出現ーある冒険家を巡るスキャンダル、外交の萌芽ー蝦夷地での交渉と大黒屋光太夫の長い旅、すれ違う両国」-江戸幕府の強硬姿勢、露米会社の太平洋進出、平民による、日本人初の世界一周ー漂流民たちの数奇な運命、嵐の前夜ー矛盾に満ちたレザノフの肖像、初めての衝突ー文化露寇事件がもたらした波紋、ゴロヴニン捕因事件‐裏切り湾、地名に刻まれた記憶、捕虜をめぐる駆け引きーロシア研究、日本研究の進展、高田屋嘉兵衛の外交ー民間人のがもたらした平和的決着、日本のボロジノ―大東諸島につけられた別名の謎、日本開国前夜の極東政策ー激化する東アジアをめぐる列強間競争、開国を迫るロシアーアメリカとの競争、長崎での開国交渉‐第一ラウンド開幕、日露国交樹立―親密な条約、プチャーチンの手腕、加速する外交、多様化する相互認識ピュートル・モデルー近代化の師としてのロシア、加速する両国関係ー開国後の最初の危機を乗り越えて、函館と長崎ー日露交渉を担った町、日本における正教会1ーニコライの来日、日本における正教会2ー知識人にとどまらない庶民レベルの交流、ロシアを目指す日本人1ー密航者・橘耕斎、外交官・志賀親、ロシアを目指した日本人2-初めての留学生・市川文吉の活躍、ロシアを目指す日本人3-嵯峨寿安のシベリア横断、最後の平和的な国境画定ー榎本武揚と樺太千島交換条約、宮廷外交1-アジアを外遊するロシア人皇子たち、宮廷外交2-ツアーリの国、ミカドの国、大津事件ーニコライ皇太子来日と襲撃の衝撃、メンデレーエフ家の謎ーロシアの偉大な科学者と日本人の子孫、革命運動家と明治日本ーノーベル賞学者メーチニコフの兄の功績、日露戦争ー第0次世界大戦、日露同盟の興亡ー日露協約、第一次世界大戦、ロシア革命、日本研究の勃興―東のスパルヴィン、西のポズドネーエフ、ロシア日本学の黄金時代ー粛清、亡命、波乱の時代を生きた天才たち、おわりに、残された課題課題ー交流、そして探求の旅は続く、

感想

衝突と融和を繰り返しながら濃厚な関係を築いてきた日本とロシア、日露関係の多面性を17世紀から描く、国境を挟んだ日ロ交流の入門書

まとめ

第一部、初めての対面から、正式な国交樹立まで、漂流民と日本語学校、ロシアの極東政策と開国交渉、第二部は加速する外交、多様化する相互認識から、日本の正教会、ロシア入国の日本人、ロシアロマノフ王朝の宮廷外交、日本学誕生を考察、国境を接するに至った両国を描く、

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