レビュー・平和と繁栄の宿命

数百年にわたって平和を享受した人々にとって、生まれつき善良な皇帝はかけがいのない為政者、著者は本村凌二、東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学、東京大学名誉教授、著書「薄闇のローマ世界―嬰児遺棄と奴隷制」他

概要

新興家系の皇帝たち、1気取らない男.ウエスパシアヌス、激動の69年、ひときわ筆が冴える死の場面、質素な生活を生き延びた貴族豊富な軍隊経験が皇帝になる条件、節約家・コロッセオを創設、2プリニウス「博物誌」の、天空の星から地上の宝石まで3万項目、ライオンの恩返し、共通利益で組織的活動をするミツバチ、多種多様なものの起源を探る、3皇帝となった兄弟の明暗、不人気の兄は愛される皇帝に、恐怖政治の末に暗授乳社会史、ものを言う農具とされた奴隷  、征服地の拡大とともに奴隷制、奴隷反乱と定賢帝とさいだいの着、奴隷の割合と古代地中海世界の奴隷制社会、奴隷供給と奴隷の出自、捨て子が奴隷に、奴隷身分の乳児に授乳する乳母、奴隷制社会を維持するシステム、比類なき賢帝と最大の誤り、1至福の時代の5人、ネルウァ帝―殺さぬ誓い、トラヤヌス帝ー信心深い最善の元首、大規模な遠征で帝国最大に、ハドリアヌス帝―治世の半分は属州視察、長城を築き学芸を愛好、アントニオ・ピウスーあだ名は幸行者、誠実で優しい支配者、マルクス・アウレリウスー哲人皇帝の幸い災厄、自省録と大きな過ち、2哲人の実子の乱行、偉大なる医師ガレノス、宮廷の侍医として、放蕩三昧の後継者コンモドウス、帝位競売後に4皇帝乱立、3大浴場と愚帝の時代、セプティミウス・セウエルスーカルタゴの血を引く新皇帝、処刑した元老院議員の財産は皇帝に、カラカラ帝―大浴場建設と粛清、エラガバルスーべにを塗り男漁り、殺されてテヴェレ川に投げ込まれる、軍隊が怒り母とともに殺害―アレクサンデル、薄闇に生きる人々の願望、1パンとサーカスの恩恵と栄誉、なんでもありの歴史の実験場、自由な市民も集団の意志で抑圧、パンは民衆への穀物配給、サーカスは見世物興業、民衆が熱狂した戦車競走の人気者、兜楯・剣を駆使した剣闘士の戦ゆうい、身軽な網闘士対防御の堅い追撃闘士、敗者の死を確認する冥府の河の渡し守、2ポンペイを彩る神々心性の考古学による古代人の二分心、意思決定のストレスが神々の声を誘発、古代人の目に映る心像を再現、生命の守護神ウエヌへの信仰、太陽神アポロや主神ユピテルも、現人神崇拝となるウエスパシアヌス、住民に人気のイシス神殿はエジプト神々の由来、入信儀礼を壁に描ユダヤ教く秘儀荘、辻神・家の守護神などあちこちに神々、3ローマ人とユダヤ人の信仰、ディオニュソス祭禁止で7000人処刑、多神教世界で唯一神を崇める頑j固さ、神から見捨てられた嘆きと哀願の詩篇4ユダヤ教と神々いう一神教誕生の背景、神々の喪失とユダヤ教成立、神々とよんだり神とよんだりしたソクラテス、ローマの民衆にとっては人間臭い神々、4キリスト教の登場、イシス信仰・キュベレ女神にミトラス教も、空虚な罪障感から人倫の道を求める、普遍神としてのイシス信仰広がる、女性は信徒になれないミトラス教、救済宗教としてのキリスト教の衝撃、密儀宗教の中心地だったパウロの生地、広大な帝国における不安感と救済願望、旅する皇帝と辺境のローマ、1属州とは何か、絶対専制君主のような属州総督、属州民を苦しめた十分の一税、ブリタニアからアラビアまで視察の旅、2ガリアからブリタニアへ、ケルト人との戦いと属州ガリア、がリア会議で皇帝への忠誠心を示す、公衆浴場・円形闘技場に水道橋も建設、ローマ市民権付与と元老院議員登用も、製陶技術・毛織物・木材加工で豊かに、農業労働は農耕奴隷が担う、敬意をうけたラテン語ができるガリア人、ゲルマン人とライン河・ダニューブ河周辺の属州民、全長120キロの長大な防壁を建設、要塞で発掘された私用の手紙、ピレネー山脈を越えイベリア半島視察、3属州ヒスパニアの歴史、ポエニ戦争、ケルト=イベリア部族の抵抗と制圧、土着豪族を懐柔し補助軍に、皇帝直轄2州と元老院管轄1州に再編、ローマ化と都市化が進展、土着の部族制度も存続、都市にはラテン語が浸透し日屈した常語に、ヒスパニア出身の二人の皇帝と文化人、兵士に広がるミトラス教はキリスト教の強敵、ローマを支えた金鉱山と葡萄酒・オリーブ油、大所領経営ココナトウス制の確立、交易の活況・富裕層の出現と徴税制度、4スペインのローマ遺跡を歩く、アンダルシア古代歴史紀行、現在も使われる水道橋や凱旋門、5シリア・キリシャ・エジプトへ、肥沃な三日月地帯から西へ向かう、ローマの軍門に屈したギリシャの荒廃ギリシャとの和解に努めたアウグストゥス、若き皇帝を教育したプルタルコス、カルタゴの故地を訪れ軍隊を称賛、アテナイで皇帝礼拝が盛んに、アレクサンドリアで学術振興を支援、ローマ郊外の別荘に訪れた名所を再現、

感想

トラヤヌス帝で最大版図を迎えたローマ、賢帝時代から愚帝時代へ民衆慰撫から大浴場・円形闘技場建設、キリスト教、ラテン語の普及、皇帝の視察、属州の管理、平和と繁栄のローマを描く、

まとめ

新興家系の皇帝たち、比類なき賢帝と最大の過ち、薄闇に生きる人々の願望、旅する皇帝を考察、属州から皇帝が出現した時代、伝統を破壊、空前の民主化を実現した、

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