通念を覆す、万葉集を筋立てからなる書き物として取り扱う、著者は品田悦一、東京大学人文科学研究科博士課程単位取得修了、東京大学名誉教授、著書「万葉集の発明・国民国家と文化装置としての古典」他
概要
巻六の前奏としての巻一・巻二、舒明皇統歌集、天武・持統皇統歌集の中枢、天武・持統皇統の行方-前代未聞の少年君主、藤原宮御宇天皇代が物語る歴史―本編、続編、神亀年間を彩る行幸従駕歌群聖武朝の開幕と吉野行幸―久々の聖地訪問、笠金村の吉野賛歌ー人麻呂作を引き込む、神亀二年の吉野行幸と宮廷歌人たちの賛歌ー変奏される「見れど飽かぬ」、玉津島・難波・印南野への行幸、山部赤人作歌①④、金村作歌、赤人作歌⑥ 、長屋王謀殺―天平元年の空白と沈黙の批評、神亀五年難波宮行幸時の歌―暗示される長屋王事件事件の概要ー光明立后の布石と弁解、天平元年の空白、沫雪のほどろほどろに、巻四の大宰府関係歌群、補説・大伴旅人のまなざし、吉野賛歌と巻六吉野賛歌群、聖武関係吉野賛歌群の不自然な編成、テキスト上の旅人、師大伴卿の歌五首、崩れ行く栄ー疫病襲来と天平六~九年の編成、空白の天平元年の前後ー仕掛け、旅人の死去―安部広庭、山上憶良・橘佐為、節度使派遣時の二編ー台閣の世帯交替、家持の登場ー月の歌々に先導されて、天地の栄ゆる時―上滑りした賛辞、天平七年の空白と疫病の襲来、天平八年・九年に編成ー橘の佐為はなぜ歌わない、噂された長屋王の祟りー二か所の空白の関連、放棄された平城京-天平12年の東国巡行と恭仁遷都、石上乙麻呂土佐配流の一連-事件の背景、乙麻呂配流歌群の解読ー拡散する流言蜚語、秋八月右大臣橘家に宴する歌―諸兄政権の発足、藤原広嗣の乱と聖武東国巡幸―曲解に即して読む、不可解な左注―切り替えられた旅の目的、巡幸の変質とアイロニカルな賛歌、暗黒時代への転落―度重なる遷都と皇嗣の不在、安積親王を招いての宴家持の安積皇子挽歌ー転落した皇統、作者不明の三首―心を残して寧楽の故郷を悲しむ歌ー神慮からの離反、久迩の新京を讃える二編ー過剰な賛美が招く逆効果、誉め殺しは福麻呂の所業か、放棄された恭仁京、難波宮の歌ーがらんどうの離宮、敏馬の浦に過る歌ー帰らぬ日々、巻六を継ぐ家持歌日記、巻六と巻17~20ー三たび書き継がれる物語、想念の吉野賛歌―再現される旅人作、賑いを取り戻す難波離宮、夢の形見、
感想
舒明皇統歌集、天武・持統皇統歌集、聖武朝の開幕と吉野行幸、長屋王謀殺と大宰府関連歌群、大伴旅人の吉野賛歌、疫病襲来、橘諸兄政権、藤原広嗣の乱と東国巡幸、家持の安積皇子挽歌、恭仁京の過剰賛歌、難波宮遷都で影薄い天皇、家持歌日記に至る、聖武朝の長屋王謀殺、疫病、東国巡幸・新京放棄で奈良に戻る、このさなか安積親王を失う暗黒時代の物語、万葉集の仕組まれたたくらみ、
まとめ
巻六の前奏としての巻一、巻二、神亀年間を彩る行幸従駕歌群、長屋王謀殺ー天平元年の空白と沈黙の批評、補説、大伴旅人のまなざし、崩れ行く栄ー疫病襲来と天平六~九年の編成、放棄された平城京ー天平12年の東国巡幸と恭仁遷都、巻六を継ぐ家持歌日誌を考察、行間に仕込まれた聖武天皇の物語、