レビュー、昏い時代の読書

大正・昭和・平成の時代に筆を執った5人の「危うき物書きたち」の作品を論じながら、現代というドン詰まり噛みしめる、著者は道籏泰三、京都大学大学院文学研究科博士後期課程中退、京都大学勤務、2015年京都大学定年退職、専門はドイツ文学、著書「ベンヤミン解読」他

概要

死に憑かれてー宮嶋資夫、1山犬、労働文学、憎しみと暴力、大杉栄、実在的アナーキズム、2病犬、流転と虚脱、自己破壊、絶望的テロリズム、3闇犬、懐体、辻潤-虚妄の生、もろもろの悩みも消ゆる雪の風、生きながらの死、無何有の明滅ー太宰治、1何しに生きっでるば、掟破りの欲望、追放と死の予感、無何有行き止まり、三鼎の文学2燈籠幻想から竜宮幻想、裏切りと自虐、死神と狂気、悲しき転身-燈籠幻想、蘇活の兆し―竜宮幻想、3呪わしき立ち往生、私は無頼派です、文明の果の大笑い―無何有の仄めき、不気味な奇書―無何有の掻き消え、希望の終わり、ダブラ・ラサにたたずむ―坂口安吾、1獣性と破壊、犬の生活、獣めいた人間たち、タブラ・ラサ、幻影破壊とふるさと、モラルなき孤独、2ファルス、ふりかえる魔物、坊主への幻滅、ナンセンス文学-泥酔だんねん痴愚、行き止まり、3死とふるさと、アンニュイと死、情欲と死、断念、瞑さのアナーキズムー桐山襲、1絶望―叛逆-絶望、復興と繁栄の陰で、詐欺の餌食となって、悲しきテロリスト、順化主義精神の産み化物、2叛逆ー絶望ー叛逆、叛逆のパルチザン、黝い顔のゾンビ―叛逆の死霊たち、壕からの出撃、3違う世界を求めて、行きたいものは行く、小説「のクロニクル」、真昼子―違う世界の予兆亡霊的、ディストピアの妄想ー野坂昭如、1子供たち、私は鼠、破局の妄想、受難の幼児・消える母親、迫りくるディストピア、2花たち、廃墟のらっきょ、繁栄する餓死花、死人葛ー性と死の狂乱、3女たち、涅槃回帰、悲しき自壊、おっぱんぱんで火だるま、4だって・私たち・もう死んでるんですもの、破滅の美、死者の眼で、

感想

現代の泥沼を抜け出す簡便な方法などありはしない、現実を忌避するものを待ち構えているのは死の運命だけだ、その先は安吾の描くタブラ・ラサがあってそこに新しい何かが生まれるとする可能性を秘めている、最大限の緊張をもって執拗に待つことだ、著者は訴える、

まとめ

死に憑かれてー宮嶋資夫、無何有の明滅―太宰治、タブラ・ラサにたたずむー坂口安吾、瞑さのアナーキズム―桐山襲、ディストピアの妄想ー野坂昭如を考察、昏い時代の読書へ誘う、

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