日本の刑事司法と江戸の御裁き、罪と罰のつなぎ方、「御仕置類例集」を素材、著者は和仁かや、早稲田大学法学学術院教授、東京大学大学院法学政治学研究科博士課程単位取得退学、専門は近世日本法制史、著書「岡松参太郎の遺猪」、他
概要
1盗みと火付ー甚吉一件、三井寺の下男・甚吉の犯行、御白洲クイズ・その1、裁判を担当した役所と役人たち、公事方御定書における窃盗罪、甚吉に科すべき刑罰、具体的妥当性か御定書の尊重か、火付という犯罪類型の位置づけ、物置小屋の消失は火付けに当たるか―判例の運用、苛酷な刑罰を科すための前提―主観的要素、2叶わぬ恋と艶書の果てに-新助とかめ、主人の妻と下男の恋、御白洲クイズ2,幕府法制度における密通、何度も重ねられた議論の末に、主人の妻の自害という事実が持つ意味、新助の振舞いとかめの死との因果関係、老中からの批判ー新助に死刑を科すべきか、評定所からの反論と老中の対応、密通御仕置之事に含まれる条文の解釈と運用、密通・艶書に対する重罰の意味、3処罰か福祉カー寄場人足・安五郎、寄場人足・平三こと安五郎の脱走、御白洲クイズ3,人足寄場という施設、寄場に収容すべき無宿とは、寄場内での処遇と規律、長谷川平蔵による取調、客観的証拠なき自首の意志は考慮すべきか、安五郎に対する判断ー評定所での検討、犯罪の抑止とは―苛酷な刑罰の功罪と貧困問題、懲役刑の不在と福祉としての人足寄場、定信と平蔵ー処罰と福祉の交錯、4物の怪と責任能力ー定吉伝七兄弟、定吉・伝七兄弟による母親殺し、御白洲クイズ4,御評定所における親殺し、兄弟に殺意は認められるか、殺人罪における乱気とその効果、下手人宥免願とは、伝七は物の怪に取り憑かれていたのかー乱気の認定、定吉・伝七の役割とその評価、母の死骸を拾った姉・はなに対する判断、5女による犯罪、新吉原で暴れたいよ、御白洲クイズその後、いよの行為と御定書の規定、条文にないゆすり事への対応、ゆすり・語り・寝たりにおける悪質性判断、盗みへの間接的な関与への評価、いよに科すべき刑罰とはー幕府の裁判における合併罪、女であれば減刑すべきか、評定所の結論に対する老中の判断、
感想
意図せざる犯罪による減刑、密通による死罪、寄場人足の規律・脱走は死罪、親殺し・乱心も死罪、主体的な意思による女の犯罪は減刑なく死罪、情状酌量と意図せざる犯罪は減刑の余地があった江戸時代の御裁き、
まとめ
1盗みと火付、2叶わぬ恋と艶書の果てに、3処罰か福祉か、4物の怪と責任能力、女による犯罪、を考察、江戸の御裁きを見る、現代の司法の源流を辿る、